20才の決意 財前 直見
デビューして2年たった20歳の頃、それまで一緒に仕事をしてきたマネージャーが辞めて、財前直美さんは1年くらい仕事のない期間を過ごしたことがある。そのとき、
自分の意思で、運が切り開かれていく
こともあると実感したという。
それまでは、どこか人から敷かれたレールの上に乗っているような気がしてたんですね。
自分の意志とは関係なく、まわりから持ち上げられて芸能界に入らされたっていうようなところがあって。
でも、ちょうど仕事がなくなったころに自分から女優という職業が好きになり始めていて、
これからも女優をやっていこうと思ってたんです。
ちょっと太ってるからダイエットをしようと水泳やエアロビクス通ったり、映画を観たり本を読んだりして、
女優を続けるための努力をしてたんですよ
そして1年たったとき、新しいマネージャーから言われたのは、結婚でもして田舎に帰ったらという厳しい言葉。
すごく悔しくなっちゃった。
でもそのおかげで、自分はなにをやりたいのか、はっきりとわかったんです。
だから、私はもうちょっとがんばってみたいと思ってるっていう意思表示をした。
そしたら、もう1回やろうか、っていうことになって
その間、先に有名になっていく人への焦りや嫉妬などまったく感じないで、彼女はマイペースでやるべきことをやっていた。
そういう性格だから(笑)。
でも人は人、私は私と思う前向きな姿勢が一番運を呼ぶと思うんです。
もし人の悪口を言ったり恨んだりしたら、そのぶん私も同じように思われてる気がするんですよね。
わたしはどっちかっていうと自分が我慢できることなら我慢しようと思っちゃうほうだし、
もめ事ってのが嫌いだし(笑)。
運のいい人がいれば、素直によかったなって思うんですよ。
で、私には私の生き方があるから、私もがんばろうって。
いいほうにとったほうが、気も楽でしょ
ナチュラルを演じているのではなく、本当に肩の力がぬけている彼女は、話してるだけでとても気分の良くなる人だ。
まだ自分っていうものがわかってなかった頃は、なんでも自分の中にためこんだり、
自分では、ちゃんとやってるつもりでも実はできてなかったりして、結局人に求める部分が強くなってたと思うんです。
例えばマネージャーに対して、どうしてもっとこうしてくれないの、とか思ったりね。
でも25歳を過ぎてから、私はふっと気分が楽になった。
人に求めるのはよくないから、できるだけ自分の中で消化しよう。
楽しく仕事したいから、まず自分から楽しもう。
それで周りも楽しくなればいいなって。
だんだん、何が自分にとって一番大切なのかがわかってきて、求めるものもシンプルになってきたんですよ。
自分の求めるものがわかってくれば、運をつかむ的も次第に絞られてくる。
自分をしっかり持って、自分がなりたい方向さえわかっていれば、それに対する努力をすることで運は開けてきますよね。
目標をもって、自分で種を蒔かないと運はこないものだし。
私の場合、一つ一つ階段を登るように仕事をしてきたんですよ。
小さい目標の可能性がだんだん高くなってきて、それが現実になり、実際に仕事をして、その評価を受けて・・・って。
この生き方や流れは、私にとっていい運だなって思う。